STAAD.Pro Help

G.6.6 スチールジョイストとジョイストガーダー

STAAD.Proは、スチールジョイストとジョイストガーダーを設定する機能を備えています。この組み込みの基礎になっているものは、1994年版の『Standard Specifications, Load Tables, and Weight Tables for Steel Joist and Joist Girders(スチールジョイストおよびジョイストガーダー用荷重テーブルと重量テーブル標準仕様)』第40版というAmerican Steel Joist Instituteの出版物に掲載された情報です。以下は、この組み込みの特徴です。

スチールジョイストは、プレハブの溶接された鋼トラスであり、床、または屋根デッキを支持するために狭い間隔で使用されます。したがって、解析の観点から、ジョイストは馴染みのある門型フレームのビーム、コラムと同じ意味での単一メンバーではありません。むしろ、メンバーのトラス集合です。一般的に、ジョイスト個々の製品が、上弦材と下弦材、およびジョイストのウェブとして使用されるメンバーの断面の詳細を決定します。そのため、ジョイストガーダー個々の構成要素の断面特性の情報がジョイストの表に含まれることは稀です。メーカーには、メンバーの断面の詳細がどうであれ、ジョイストが単にそのクラスに合う性能を提供することを保証する責任があるだけです。

断面の詳細がないため、構造全体の解析モデルにおいて、ジョイストの実際のトラス形状を組み込むことは困難になります。STAADでは、ジョイストに作用する自重、および任意のメンバー荷重は、単純支持挙動を通して端部ノードに伝達されます。また、STAADでは、ジョイストは構造全体の剛性に何も寄与しません。

上記の仮定の結果として、ジョイストのモデル化に関して、以下の点に注意する必要があります。
  1. ジョイストのすべては、STAAD入力ファイル内で一つのメンバーで表されます。図式的には、一本の線を使用して描画されます。
  2. メンバーを作成後、特性がジョイストデータベースから割り当てられる必要があります。
  3. プログラムの3D描画機能により、代表的なワーレンタイプのトラスを使用してそれらのメンバーが表示されます。
  4. スパンの中間点の変位を決定することはできません。

STAAD.Proでのジョイストメンバーのレンダリング例